三井住友カードのCM「お金ってなんだろう?」について、全力で述べる。
少しの違和感を感じる。
でも、言ってることが間違っているからかと言われればそうでもない気がして、目にするたび、もやもやさせられる。
やっかいなCMだな。
実際にGoogle先生を頼ってみると、このCMについての記事はたくさん書かれていました。
「現金ってなんなんだっけ?」「生き方について考えられる」というニュアンスの真剣なコメントもちらほら。
これは企業CMとしては最高ランクの作品なのかもしれません。
世の関心を集めた上に、ただ流行するだけでは終わらずに、「現金よりキャッシュレス決済の方が良いんだ」と恒久的に人々の価値観すらも変えてしまうような、そんなパワーを秘めているような気がします。
CMの内容をおさらい
youtu.be
話題にしているのはこちらのCMです。
テキストにも落としてみた。
♠「お金もってる?」
♣「持ってるけど?」
♠「一枚いいかな?これ、君のお金だよね?」
♣「当たり前だろ」
♠「証明できる?これ間違いなく自分のお金ですって。」
♣「証明って、さっきまで僕の財布に入ってたじゃない。」
♠「でも今持っているのは僕だし、君の名前も書いていないよね?」
♣「現金は安心だってみんな言うよね。現金は確実だって。本当にそうかなぁ。お金って何なんだろう。」
演じているのは、♠マークのセリフが小栗旬さん、♣が青木崇高さんです。
(EXILEのデュエットinカラオケ、みたいになっちゃったw)
当たり前だろ
そうなんです、当たり前なんですよ。
内容をおさらいしたので早速違和感の原因を探っていきますが、まじでこの一言に尽きる。
「証明できる?これ間違いなく自分のお金ですって。」
「今持っているのは僕だし、君の名前も書いていないよね?」
まぁ、それはそうなんだけど、、、と思わず一瞬考えてしまいますが、実際は、
なにを屁理屈こねてんだよ!
って話ですよと。
小栗旬に言われると、思わず真に受けちゃったじゃん。しかもさらっと言うんだもん、さらっと。
もう一回冷静になってから、お聴きください。手に持ってるお金を取られました、というところまできて。
はい、このセリフ!
「証明できる?これ間違いなく自分のお金ですって。」
「今持っているのは僕だし、君の名前も書いていないよね?」
…。
もしも飴ちゃんだったら
飴ちゃんを巡る、兄弟の会話に置き換えてみるとどうでしょう。
兄「飴ちゃんもってる?」
弟「持ってるけど?」
兄「一個いいかな?これ、君の飴だよね?」
弟「当たり前だろ」
兄「証明できる?これ間違いなく自分の飴ちゃんですって。」
弟「証明って、さっきまで僕のポケットに入ってたじゃない。」
兄「でも今持っているのは僕だし、君の名前も書いていないよね?」
ちょいちょいちょいちょーーーい。
ずる賢いお兄ちゃんが、弟から飴を搾取する図、そのものじゃないですか。
さっきのスクリプトの「お金」を「飴」に変えただけなのに。
お金の話になると、人は敏感になる
自分はそんなことない、と思っていても、無意識のうちに執着心があるからでしょうか。
飴ちゃんver.では「どう見ても弟くんのものでしょ」と思えたものが、「お金もってる?」から始まる会話ではこんなにも掌で踊らされるなんて。
こんなに簡単に、「人生について考えさせられるなぁ」なんて、思っちゃったりしてね。
やーね。
日本のキャッシュレス化は進むのか
CMの本題であるキャッシュレスについて、最後に少しだけ。
ここ数日、モバイルSuicaが使えなくて仕方なく紙の切符を買っているわけですが、切符売り場って意外とまだ混んでるんですよね。
切符に関してはみーーーんなSuicaになったのかと思いきや、そんなこともないみたいです。
まだまだ現金社会。
日本は他国に比べて、現金を便利に使える環境が整っていると思います。
コンビニATMで下ろせるし、中国のように偽札は横行してないですしね。
そのような背景から、「日本のキャッシュレス化はまだ先になるだろう」というのが記事ではお決まりの締め文句になっていますが、実際にはどうなるのでしょうか。
いつその変化が訪れてもいいように、知識の補充だけは十分にしておきたいところです。