イーブイのコスプレをする女。
とある場所で、こんな噂を耳にした。
「イーブイのコスプレをした、可愛い子がいるらしいよ!」
イーブイの、コスプレ。……???
どうやって表現してるんだろう。
イーブイのおさらい。
イーブイとは、ポケモンに登場するキャラクターの一種です。
「ポケモンやってた?」と聞かれたら、「いやー、ピカチュウくらいしか分かんないや」という答え方をする私ですら、実は知っているキャラクターですから、ご存知の方も多いのではと思います。
さて、ふつーの人間が、イーブイになりきることって可能なのでしょうか。
女子がコスプレ女子を見てどうするんや、無駄だな、と思いつつも、可愛くイーブイになりきっている女子がどんな方法を使っているのか、そのアイデアが気になって見に行ってみました。
そうゆうことか
行ってみると、本当にいました。
たしかに可愛い。
ツインテールの女の子が、茶系統のコスプレっぽい衣装を着て、同じく茶色のうさ耳を付けてました。
そして
なんと
手には、イーブイのぬいぐるみが。
Oh,Naruhodo。
期待した私がばかだった
それって、例えるならばこうゆうことですからね。
絵心ない芸人が、絵しりとりをしてる時になんとか伝えようとしたあまり、絵にタイトルをつけてしまう。
つまりこんな感じです。
書いちゃったらダメじゃない。
日本のコスプレ文化に火をつけたのは、麻生元首相だった?
これを機に、日本のコスプレ文化について調べてみたところ、大変興味深いエッセイに出会ったので、全文を引用させていただきます。
コスプレが一般的になる前から、コスプレイヤーを支えてきた雑誌・「COSPLAY MODE」の統括編集長で、日本メイド協会会長もつとめる大門太郎氏によるエッセイです。
コスプレ(Cosplay)はご存知の通り「コスチューム」と「プレイ」の造語で和製英語、というか日本語です。私が2000年にコスプレ誌を刊行した当初は、コスプレという言葉のイメージは今とは随分と違っていました。「コスプレ」と検索すると、トップに出てくるのはまず風俗店、という時代でした。
もちろん当時からコミケ(コミックマーケット)は東京ビッグサイトで開催されていましたし、コスプレイベントも開かれていました。ただそれは「ひっそりと」と言ったほうが正しいかもしれません。大衆の面前に晒されない場所で行われていたイベントが多く、社会的にコスプレは低俗な趣味だという引け目を、コスプレイヤーが抱いていたと思います。
コスプレイヤーはマスコミ嫌いも激しく、小さな雑誌媒体であっても、自分たちを貶める内容になると決めつけていました。当時取材をしてよく言われたのが「どうせエロ本でしょ」。コスプレイヤー自身も、コスプレをしていることを家族や学校や職場の友人に明かすのは稀で、世間の目が怖いから表に出ない。そして、コスプレイヤー自体を見ることがないから偏見が起こる。負の連鎖です。
そもそも、当時の検索上位に出てくる低俗なコスプレと、純粋なコスプレの違いは何でしょうか。それは「リスペクト」です。前者はコスプレをするコスチューム(セーラー服やナース服)に対してリスペクトがありません。一方、純粋なコスプレイヤーは、そのコスチュームによって形成されているキャラクターへのリスペクトがあるのです。
大好きなキャラクターになりたい、少しでも近づきたい、そんな想いが原動力です。好きなキャラクターの絵を教科書の隅に描く……、それは誰もが通る道。キャラクターの容姿だけでなく、考え方や生き方にまで共鳴し、尊敬する。この熱い想いをどうしたらよいか? そんなとき、何かのきっかけでコスプレと出会います。しかし、すぐ自らコスプレをする者は少なく、まず自分の愛するキャラクターに扮しているコスプレイヤーに惹きつけられます。憧れのキャラクターと話ができて、触れられる喜び。一緒に写真を撮るなどするうちに、自らコスプレしたい、となっていきます。そこには確実に、キャラクターへのリスペクトがあります。
コスプレイヤーが疎外感を感じることがなくなってきたのは、2008年の麻生内閣の頃からです。麻生太郎氏はマンガ好きを公言しており、世間的にもマンガやアニメは「日本が世界に誇れるコンテンツ」と言われ始めました。フランスのJAPAN EXPOやアメリカのANIME EXPOなどがメディアに紹介されると、金髪のフランス人が「NARUTO」のコスプレをしている! これによって国内でも日本のマンガやアニメのコンテンツ力が再認識されました。今日の「クールジャパン」の始まりでもあります。海外で認められているから、凄いぞ日本のコンテンツ!となる。その視線は同時にコスプレにも向けられ、国内での地位が大きく向上しました。
そもそも日本人は「逆輸入」が好き。ドメスティックなものよりもグローバルなものに価値があり、コスプレはドメスティック、対してCOSPLAYはグローバルだから、コスプレはキモかったけど、COSPLAYは素晴らしい。こうしてコスプレは、社会的に認知されたコンテンツとなり、街中などオープンな場所でイベントが開かれ、コスプレイヤー自体を間近に見られるようになりました。社会的な偏見も薄れ、コスプレイヤーの活動範囲は広がりました。10年前とは大違いです。
もしあのとき、欧州や米国のコスプレイヤーが、コスプレを恥ずかしい趣味だとして隠していたら……、日本のコスプレの夜は、まだ明けていなかったかもしれません。
「コスプレ」と検索するとトップに風俗店がでる時代があった、というのは、現在のコスプレの浸透ぶりからは想像もつかない事実ですよね。
思えば「カフェ」でさえも、大正時代には水商売系のお店が多かったという歴史もありますし、一度は世の中に受け入れられなかったコンテンツが定着するに至った例は、これまでに数多くあるのでしょう。
数日前には、人気コスプレイヤーの方が初写真集を出す、というニュースもありました。
120万人いるSNSフォロワーの大半は、海外の方なのだとか。
「コスプレ」という今まで興味を持ってこなかった切り口から感じる世の中の変化は、なんだか新鮮です。